この本との出会いは、お米生活チャンネルで京都大学名誉教授・運動医科学研究所所長の守谷敏夫先生とゆきよ先生のコラボを観て科学的根拠に基づいていて大変おもしろいと思って本を購入し読みました。その内容と自分が考えたことや、自分の堕落した食生活についてお話したいと思います。
やせたいと思うなら、太りたくないと思うなら、まずは体より胃袋より、「アタマ」を働かせること。と書かれています。
・人はなぜ「太る」のか?なぜ「やせる」のか?
・太っているとなぜ悪いのか
・「体重が減る」と「脂肪が減る」は何が違うのか
・運動して1キログラムやせるのと、食べずに1グラムやせるのは同じなのか
・あなたのお腹回りについている「お肉」は何からできているのか
・脂肪が燃焼する、とは科学的にどういう意味か
ダイエット科学とうのは、結構めんどうで専門的分野になります。実践しようとする人は、最低限の理論は知っておくべきだと森谷先生はいいます。
ダイエットのカギは「食事」「運動」「自律神経」
肥満には特定の病気の症状として体重が増加するものと、単なる食べ過ぎなどで体重が増えるものの2種類がありますが、日本の場合95%は単純な肥満です。肥満といっても。理由はさまざま、遺伝的な素因も一部ありますが、ほとんどは食べ過ぎ、運動不足、熱産生の障害(体温の維持・食事後のエネルギー先生が標準より低い)などで、それが複数関連して、結果として体重が増えます。
日本人が太ってしまった本当の原因とは?
日本人は70年前に比べ、摂取カロリーは減っているのに、肥満が増えている。ということは、日本人は食べ過ぎで太ったわけではないということを意味します。なぜ、日本人は太ってしまったののでしょうか?一番大きい原因は「運動不足」だと考えられるそうです。口から入れるカロリーは減っているのに、体重が増えているということは「動いていない」からです。言うまでもないことですが、たくさん食べても、その分たくさん動けば絶対に太ることはありません。
1980年以降、女性の体重はあまり変わらず、世代によってスリムになっています。これはまず女性が男性よりも、体重を気にする傾向が強いためと同時に、基本的には日常的な家事によって、男性よりもずっと運動量を高いレベルの保っているということが大きな理由と考えられるそう。色々なものの機械化が進み、車社会になり、デスクワークにつく人が増えていった結果、どんどん運動不足になった背景がある。女性は、電化製品の普及によってかなり楽になったとはいえ、家事で体を動かす機会は男性よりもずっと多いのです。
炭水化物、糖質はなぜ「悪者扱い」されるようになったのか
食事とその内容から日本人が「太りやすくなった理由」を考えてみる。
3大栄養素①炭水化物②タンパク質③脂質の3つです。
糖質は、脳と体のガソリンになるもので、タンパク質は筋肉などを作る材料、脂質は脳にとってもビタミン類の運搬系としても活躍する必須の栄養素。なかでも糖質は脳のエネルギーとして非常に重要な役割を持ちます。脳の唯一のエネルギーが糖質になります。
糖質オフダイエットの落とし穴:ここ数年、糖質オフダイエットが大流行しています。炭水化物は悪玉扱いされています、スーパーやコンビニでも「低糖質」「糖質ゼロ」「糖質控えめ」と記載された商品が並んでいます。
「炭水化物を食べるとふとりやすくなる」
「タンパク質と脂肪はいくら食べても大丈夫」このふたつは大きな誤解。栄養学的にkンが得て、人間は1日の摂取カロリーのうち約6割は糖質から摂るべきだというのが常識なのです。
人間の安静時のエネルギー代謝を測定すると、使われるのはほとんどが糖質です。安静にしているだけでも個人差はありますが約1200キロカロリーの糖質が消費されます。普通の人間は、全カロリーのうち6割分の糖質を摂る必要があるのに、何故これほど「糖質」悪玉にされてしまったのか。それは栄養学の専門家の考え方と、医師の考え方が根本的に違うためなんだそうです。そもそも低糖質ダイエット、糖質制限ダイエットというのは、糖尿病患者の治療プログラムとして考えられたもので、医師の中でも懐疑的な意見、否定的な意見もある。「糖分のと摂り過ぎで糖尿病になるのだから糖分を控えれば予防にも、治療にもなるにちがいない」よいう医師たちからでてきた「糖質制限」でした。
糖尿病も肥満も、原因は「糖質の摂り過ぎ」より「運動不足」
森谷先生は、宮沢賢治が生きていた時代「1日玄米4合」食べていた時代には糖尿病は問題になっていなかった。どう考えてみても、糖質の摂り過ぎが糖尿病の原因とは言えず。糖尿病の増加は運動不足によるものだと言っています。
宇宙飛行士に例えられています。宇宙飛行士は、常に非常に高い糖尿病リスクにさらされているそうです。宇宙飛行士といえば、それこそ最高レベルで心身の健康を管理している人たちです。無重力空間に滞在することにより筋肉を使わないために、糖尿病リスクが上がるのだそう。重力がないため、身体の約4割を占める大きな臓器である骨格筋は働く必要がない。心臓の筋肉も働く必要なし。無重力空間では、心臓が一度収縮しただけで血液は永久に体内を巡ることができるから。全身の筋肉が、全く仕事をしない状態であり、本来筋肉は、非常にたくさんの糖質を消費しますが、働く必要がないのでほとんど消費しません。脳だけが、糖質を消費します。すると糖質は余り、血管内の血糖値が上がってしまいます。
膵臓はインスリンという物質を分泌して、血糖を血管から外に出し細胞に取り込んで代謝しようとします。それを頻繁に繰り返すと、膵臓は酷使に耐えかねて機能がどんどん落ち、結果、糖尿病になります。
森谷先生は糖尿病というのは、糖の摂り過ぎで起きるものではなく、筋肉の代謝異常だと考えています。宇宙飛行士のような特殊な環境にある人は、食事の糖質を制限する必要がありますが、重力のある地球上で普通に活動している人にとって糖質は絶対に必要なもので、決してみやにみカットしてはならない。
糖質オフの「激ヤセ」で減ったのは水分
先生が言うダイエットとは、体重を減らすという意味ではなく、脂肪を減らすという意味なのです。炭水化物というのは、体内で糖と繊維質の分かれます。糖は3個の水の分子と結合してグリコーゲンという物質になり、肝臓や筋肉に「大脳の非常食」として蓄えられます。炭水化物を多く食べ過ぎると「体重」は増えやすいのです。だからこそ、逆に炭水化物を減らすと、体重が減りやすい。食事で糖質が入ってこないと、体は非常食のグリコーゲンを使います。グリコーゲン1個につき、3個の水は不要になって体外に出ていってしまうから。
体重ではなく脂肪を減らすのが本当のダイエット
正しいダイエットというのは「脂肪を落とすこと」つまり「体脂肪率を落とすこと」で、「体重を落とすこと」ではありません。脂肪が落ちれば、健康になり、見た目も引き締まって美しくなります。脂肪1キログラム減らすには7000キロカロリー以上を使わなければならない。お腹回りのお肉、1キログラムを減らすためには7200キロカロリーを消費する必要がある。
減量は最大でも1ヶ月に2キログラム程度まで
体脂肪を減らすダイエット
①ふだん食べている量を1割減らす
②毎日速足手で30分歩く
炭水化物は減らさないことがポイント。毎日、続けられる運動を行う。
炭水化物は脂肪にならない
人の肝臓には、糖質を脂肪に変換する能力がほとんどない。炭水化物はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられるが、一定量を超えるとそれ以上蓄積できず、余った分は脂肪になるのではなく、発熱するなどして消費されてしまいます。炭水化物はほとんど脂肪にならない。タンパク質もほとんど脂肪にならない。脂肪はそのまま体脂肪になる。
炭水化物・タンパク質・脂質は6:2:2が黄金比
脂肪が燃えやすい理想の栄養バランス
炭水化物 60パーセント タンパク質 20パーセント 脂質20パーセント
日本人はタンパク質の摂取が少なめなので多めにしたほうがよいそうです。その分、脂質を控えめに。基本は1日3食バランス良く食べる。
運動編
運動ダイエットなら脂肪だけを減らせる
肥満の原因として最も多いのは「運動不足」。同じカロリー消費でも食事制限だけよりも運動を併用したほうが効果的です。今の体重を維持したいと考えることも「ダイエット」のひとつです。同じものを食べて、無意識のまま生活していたら、人間は歳とともに必ず太っていきます。老化現象だから仕方がないともうかもしれませんが、中年以降から太るのは、ほとんどの場合が「運動量の低下」によるものだそう。もうひとつの理由は自律神経の活動低下によるもの、それも「運動量の低下」が大きく関わって起きてくるのだそうです。人間の筋肉量は30歳くらいから1年に1パーセントくら減っていくそうですが、きちんと使っていれば高齢になってからでも筋肉は増える。
痩せていても運動しないと病気になりやすい
今、太っていなくても運動したほうがいい理由を知ってほしい。
最近の研究では、生活習慣病、とくに心臓病・糖尿病・高血圧・脳卒中は「年のせい」ではなく、慢性的な運動不足がとても大きな原因になっていることがわかっているそうです。糖尿病の原因は「糖の摂り過ぎ」ではなく、「運動不足」と、それによって起きる「肥満」。標準体重でも運動不足が原因で糖尿病になる人はたくさんいる。
運動習慣で糖尿病を予防する
運動習慣こそが、糖尿病リスクを下げる最良の予防薬であり、治療薬でもある。運動で血糖値が下がるのは、インスリンとはまったく別のメカニズムであることがわかってきたそうです。インスリンのかわりに筋肉の活動が、糖を使い、その結果として血糖値が下がるのです。
筋肉が増えれば基礎代謝が増えてやせやすくなる
筋肉量を増やせば冷え性も治るし、免疫力も上がる。運動で自律神経を元気にして自動的にやせる。筋肉量を増やせば、「基礎代謝」が上がります。全体の6割を占める基礎代謝が上がれば、生きているだけでダイエットだそうです。筋肉を落とさないことと、筋肉量を増やすことが大事になってきます。
運動で、ストレスを解消し脳内をハッピーに。
運動中は交換神経がオンになり、同時に食欲抑制に作用するホルモンが多く出ることがわかっているそうです。腸管を揺さぶる運動をすると、腸からはGLP1とかペプチドYYといったホルモンがでます。これはどちらも食欲抑制ホルモンです。このホルモンの分泌状態は運動後30~45分ごろまで続くそうです。運動が終わったら速やかにシャワーを浴びて食事に行くと、食欲抑制ホルモンの効果で食べ過ぎることを防ぐことができる。
ダイエット目的の人は、運動後30~45分後に食事を
糖尿病患者さんは、食後30から45分に運動を
自律神経の乱れで肥満になる
自律神経がしっかりと働いてくれさえいれば、実は多少食べすぎても太ることはありません。自然に食べたくなるからだそうです。太っている人は交感神経の機能が低いというモナリザの仮説と言われるものがあります。本来、体内の脂肪の量というのは、自動制御で決定されるます。食べすぎると白色脂肪細胞が大きく太っていきます。そういう状態になると肥満遺伝子のレプチンが「やせろ!」という命令を出し、早めに満腹感を感じるようになります。交感神経はさらに褐色脂肪細胞にも働きかけ、脂肪の分解と燃焼を促進させます。ところが自律神経の機能が弱くなると、それが機能しにくくなります。満腹感を感じにくくなるのです。
自律神経の機能が落ちる原因のひとつはストレス。全てのストレスを取り除くことは困難です、そこで「運動」がもっとも手軽で効果のある手段になります。体を動かすと、交感神経が働き、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンはリパーゼという脂肪分解酵素に働きかけるので、中性脂肪という大きな分子は遊離脂肪酸という小さい分子に分解されて、筋肉内で燃えてエネルギーになる。習慣的にスポーツ・散歩・家事まどで積極的に体を動かして頻繁に交感神経を刺激することが、自律神経の機能を良くしてくれます。
NEAT=ちょこまか運動
NEATは非伝導性熱産生のこと。日常的な何気ない動作によるカロリー消費。
「1日20キロカロリー分だけ、今より余分に動け」
1日20キロカロリーでも、1年で1キログラム。人間は20歳以降、1年で1パーセントほど基礎代謝が落ちていきます。生活の中で20キロカロリー消費することが大事だそうです。できるだけ立ったり座ったりを増やし、どんなに短い距離でも、ちょこまか動けと言っています。
NEATはを増やす10か条
目指せ1日1万歩で300キロカロリー
買い物には歩いていく
ごろ寝、昼寝は肥満の大敵
友人・家族・ペットと一緒に楽しく運動
週末は弁当持参で散歩に行こう
歩数計はいつも身につけておこう
ムダに動いてムダな肉を減らそう
動作は大きく、全身を使って
あと一歩、もう一弾、の積み重ねを
一駅手前で下車して1000歩!
この本と出会って、糖質は悪じゃない。脳を動かすために必要なものだし、必要な分は摂取しても太ることはない。運動不足が糖尿病につながるということ。NEATが凄く大事だということを学びました。ニートと聞くと、働いてない人?って思いましたがそうではない。初めて聞く言葉でした。食後はムダに動くようにしています。床を掃除してみたり、ストレッチもしています。生きていれば基礎代謝は年々落ちていくのですから、1日20キロカロリー消費せねばと思いました。実際に、行動あるのみだと思いました。この本を書かれた森谷先生は、一度も太ったことがないそうです。それも説得力がある事実だと思いました。心と体の健康を大切に、楽しく食事して生きていきたいものです。