発酵食大学院最後の授業です。「消化と吸収」学生の時に勉強して知っていたけれど、もう忘れていた基本的な人体のこと復習になりました。職業柄、早食いになってしまうのですが咀嚼って本当に大事だなと感じています。自分の体にできることは、食べ物をしっかり咀嚼して消化しやすくすることなんです。30回以上噛むように心がけています。

消化と吸収

 消化・吸収・代謝によって、食べ物が栄養に変わります。

消化とは:食べ物を吸収できる形に分解し、不要なものを体外に排出すること

吸収とは:消化した食べ物を身体の中に取り込むこと

 歯で咀嚼した食べ物は、食道→胃へ送られます。胃で粥状になり→十二指腸へ、十二指腸で分解されます。これが消化になります。

 さらに小腸に運ばれた食べ物はさらに分解され、小腸の内壁から栄養素が吸収されます。体内に取り込まれた栄養素は→肝臓へ運ばれ、体が利用しやすい物質に変換。この仕組みを代謝といいます。これで初めて食べ物の栄養素を体の栄養として利用できるようになります。

 消化・吸収されなかった余分な栄養素や食物繊維などは大腸に運ばれます。大腸でゆっくりと水分が吸収され、便として排泄されます。便の主な成分は、未消化の栄養素と食物繊維、腸の粘膜が剥がれたものや腸内細菌などになります。

胃での食物の滞在時間は約4時間

小腸(十二指腸・空腸・回腸)での食物の滞在時間は約9時間

大腸での食物の滞在時間は約12時間~24時間

食べ物によっても消化にかかる時間は違います。

消化酵素活性の加齢変化について。高齢になるに連れ消化酵素活性は低下します。リパーゼ・膵液アミラーゼ・唾液アミラーゼ・トリプシン・ペプシンなど。ライフステージにあった適切な栄養摂取が必要だと学びました。

高齢者の生活を曇らせる健康問題

動脈硬化性疾患:脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈疾患

サルコペニア:筋力・筋肉量低下・廃用予備状態

フレイル:弱り状態・体重減少・歩行速度低下・活動量低下

癌:肺・大腸・胃・膵臓・肝臓

ロコモ:骨・軟骨・筋脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症

感覚器疾患:白内障・緑内障・糖尿病性網膜症・黄斑変性・難聴

認知症:認知機能低下・記憶力低下・処理能力低下・生活能力低下

 高齢者の方は様々な点で、弱ります。若い時に比べ、著しく筋力低下しますし、1度筋力が低下するとまた元に戻るにも時間がかかります。骨折して入院すると、筋力低下もありますが、環境に対応する能力も低下するために認知機能低下の恐れも。認知症になったり、認知症が進行したりします。食欲も低下して、弱ってしまうという悪循環になります。なるべく入院せずに生きていきたいものです。

基礎代謝

 基礎代謝とは、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために整体で自動的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギーのこと。

 相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、1日に女性で約1,200、男性で約1,500kcalとされています。

 消費量:大人の場合→肝臓が27% 脳が19% 筋肉(骨格筋)18%この3器官のみで6割以上を占めます。

年齢や性別に合わせた、エネルギー量をはじめ、たんぱく質・ビタミンC・食物繊維・葉酸・鉄などの表が資料に乗せてありました。2020年の日本人の食事摂取基準。

機能性成分

 ここは私の気になる所のひとつ。機能性成分とはなんぞや。勉強になりました。

食品の持つ機能

一次機能:栄養を与える

二次機能:美味による楽しさを与える

三次機能:生体リズム調節、神経系や免疫系の調節

機能性食品が誕生した背景について学びます。日本は豊かになり男女とも世界一の長寿国になっています。喜ばしいことだが、寿命が伸びるということは人口に対する老人の比率が高くなるということを意味している。

 今後更に老人の比率が高くなる→社会問題となりつつある

医療費の増加・年金など社会保障の増加となり、国民の負担増は免れない。例えば、医療費について。国民が若い頃から生活習慣病等の予防に心がけ、病気にならないようにすれば医療費を削減することができ、経済的効果は大きいとのこと。国民の間にも食を通じて健康を確保しようと考えている人たちもいる。科学的根拠がなくても、ある商品が癌に効くなどと口伝えに聞くと、その真意に関係なく飛びつく人も少なくない。

 食に関する、科学的な根拠に基づく正確な情報提供を積極的にしていく必要がある。機能性食品誕生の背景には人口構成の老齢化、健康志向、所得の向上等があるそうです。

機能性表示食品は、事業者の責任で、科学的根拠を基に、商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品

特定保健用食品は、保健の機能表示可能(消費者庁の審査が必要)体の生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)をする食品。特定保健食品として販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。と消費者庁のサイトに記されています。

 現在は特定保健用食品は開発にコストがかかるため、機能性表示食品に力を注いでいるようです。

フードファディズム Food Faddism

食べ物や栄養が、健康や病気に与える影響を過大に評価したり信じたりすること。について講義がありました。情報は本当か、それとも間違っているのか?

砂糖は肥満や糖尿病になるので食べないほうがよい

黒砂糖は栄養成分は多いので、白砂糖ではなく黒砂糖を利用すべき

塩や砂糖は天然・自然がよい

市販のバランス栄養食は完全食品である

保健機能食品はスーパーフードである など

難消化デキストリン配合コーラを例に講義がありました。成分の量と効果、食事から摂取した脂肪の吸収を抑え排出を増加させる・・・系統的に有意な差でも実用的に意味のある差とは言えない。消費者に過大な期待を持たせる。

様々な食品の情報が発信されている。何が正しいのか正しくないの理解しないまま情報に振り回されていないか。情報を正しく理解することが必要。特にネットでの情報収取は、大学や研究機関、大手企業等を参考に!

食の情報を正しく理解するためには、栄養学等の科学的知識が必須です。

健康は食から。栄養学の知見に基づいたバランスのよい食事を心掛ける。

そこそこの健康とほどほどの食生活

1日3食が基本です。夕食で摂取したブドウ糖は、寝ている間に消費され、朝には空っぽの状態。朝食を食べないとブドウ糖が補給されず、頭が働きませんし、身体機能も鈍くなる。仕事も勉強も能率が上がらない。糖質が分解されて生じるブドウ糖は脳に唯一のエネルギー源だからです。活動的に過ごすには、しっかり朝食を食べることが大事。1食で摂取できる食事量は限られています。ビタミンÇなどは体内の蓄えておくことができません。朝・昼・夜と1日3度食事をして、体に必要な栄養素を十分に摂る必要があるんですね。私は、1日2食と間食で済ませていました。夜は寝るだけだし、お腹がいっぱいだと眠れないと思っていました。夕飯は食べないことが多かったです。そのせいか胃腸力が衰えているなと感じています。最近は1日3食きちんと食べることに注力しています。食べることでした胃腸を鍛えることはできないから。お米って美味しいなと思います。1日2合までとはいきませんが2合近くお米を食べています。PFCバランスも考えます。楽しく美味しくよく噛んで食べる。早食いなので、本当に噛むというトレーニング中です。ここ数年で体重は増えて気にはしていますが、何よりしっかり食べても太らない胃腸を手に入れることが大事だなと思っています。 

このあと発酵食エキスパート1級の100問試験を受けて、全て発酵食大学院を終了しました。試験は合格しました。これからこの学びを基礎に色々できたらいいなと思っています。健康に生きる。幸せに生きる、これに尽きますね。

投稿者

marizo

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