腸内環境とヒトの共生

 午後からは、個性的な大学の先生から腸内環境とヒトの共生について学びました。ラットの実験結果や排泄物(便)、腸内細菌、プロバイオティクス・プレバイオティクス。科学情報の取捨選択についての考え方・発酵食品・人工甘味料についてなどの講義がありました。難しすぎて、整理できない内容でした。

この講義で、心惹かれた内容がありました。それは、入浴。腸内細菌は風呂で伝播する。血縁者よりも同居している方が腸内細菌を共有しているという研究結果。凄く、面白いですよね。毎日、銭湯に行っていたら常連さんと腸内細菌を共有しているかもしれないのです。

 それと、無菌マウスに運動量のあるマウスの腸内細菌叢を構成する細菌の一部を与えるとより活発に動くということ。簡単に言うと、無菌マウスに、よく走るマウスの便を与えるとよく走れるようになるということなんですね。

発酵食品について

プロバイオティクスとは

 食品中に含まれる菌体で、ヒトの体内で健康に有用な働きをするもの。

ヨーグルト(乳+乳酸菌・ビフィズス菌)

漬物(野菜等+乳酸菌)

麹(米+麹カビ)

にごり酒(米+麹カビ+酵母)

納豆(大豆+納豆菌)

 ビフィズス菌を持っていると、O 157に強くなる。ビフィズス菌が大腸内で酢酸を作り出すと、腸管の粘膜が保護され、O157の感染に強くなる。酢酸をたくさん作るビフィズス菌じゃないとだめ。

またビフィズス菌がマウスの寿命をのばしている。ビフィズス菌LK512をマウスに投与するとマウスの寿命がのびた研究結果がある。LK512投与によるマウスの寿命伸長には腸管ポリアミンが関与している可能性が示唆された結果もある。つまり、ビフィズス菌が大腸内で腸内細菌に働きかけ、ポリアミンが作り出されると、大腸腸管が若返り、寿命が伸長するのだそうです。

強いエビデンス(科学的な証拠)があるプロバイオティクスは、現状ビフィズス菌だけ。

漬物由来の乳酸菌や麹についてはあまり強いエビデンスがない。研究が進んでいない

発酵食品 食べ物の腸内細菌叢への影響

 動物を食べた場合と植物を食べた場合、腸内細菌の種類と割合が少し変わるが、個人差をこえるほどは変えない。しかし、腸内細菌の遺伝子発現は、食事の影響を非常に強く受ける。

遺伝子発現とは、腸内細菌叢の実質的な働き。草を分解する働きか、肉を分解する働きか。遺伝子発現は食餌によって変わる。腸内細菌の働き方が変わるそうです。

プレバイオティクス

プレバイオティクスとは、ヒトに消化されず大腸まで届き、プロバイオティクス細菌を増殖させる。

難消化性のオリゴ糖や食物繊維がプレバイオティクス

元祖 プレバイオティクス

食物繊維

食物繊維の重要性 食物繊維を摂らないと、Bacteroides caccaeの割合が増加するそうです。食物繊維抜きの食事で増殖したBacteroides caccaeは、腸管内膜のムチンを「食害」しバリアを壊します。ムチンはヌルヌルの成分。食物繊維は腸内細菌を活性化させて体に良いというよりも「食物繊維を摂らないと、お腹を空かせた腸内細菌が反乱を起こす」という感じなのかもしれないそうです。食物繊維を摂取せねばと思いました。

人口甘味料について

 人工甘味料がヒトに与える影響についての講義がありました。気になっていましたがこの講義の終わった後、食品の成分表を見て人工甘味料が使用されているかどうか、どの人工甘味料が使用されているのか確認するようになりました。

 ノンカロリー人工甘味料は腸に届きます。ヒトに消化・吸収去れないため、太りません。マウスを使用した実験結果で、サッカリン・スクラロースを摂取したマウスでは、耐糖能が異常に。ちなみに耐糖能とは、上昇した血糖値を正常に戻す、血糖値を正常に保つ能力のことです。ノンカロリー人工甘味料(サッカリン)は、動物による消化を受けずに大腸に到達し、腸内細菌叢を乱すことで、耐糖能異常を引き起こすそうです。

科学情報の取捨選択

科学情報の信頼性の判断

学術的チェック

①記事内に科学論文を引用しているかどうかをチェックする。なければダメ情報

②PudMedに記載されている学術誌かどうかをチェックする。記載されてなければ質低い

③学術誌のインパクトファクターをチェックする。医学情報の場合4以下だと問題あり

疫学的チェック

①〇〇臨床試験、〇〇疫学、〇〇ランダム化比較試験でGoogle検索。意味のある検索ページが見つけられなければ怪しい。

②〇〇(英語訳)clinical trial、〇〇(英語訳)epidemiology、〇〇Randomized controlled trialでPudMed検索し、AbstractをDeepL翻訳する。見つからなければ怪しい。見つかった場合は第何相の試験なのかをチェックする。

メディアの情報に踊らされないで下さいという講義もありました。嘘の情報に踊らされて、世の中からトイレットペーパーがなくなったり、特定の食品がスーパーから消えたり色々ありました。何が正しいのか、自分で判断して生きていかなければと改めて思いました。

 細菌では、ほとんどテレビを観ることはなくなりました。マイナスなことばかりが報道されていますし、自分には必要な情報ではないと判断しています。観なくても生きていける。好きな人は観ればいいですし、個人の自由。食事や食品、ダイエット情報もそうですよね。この食品を摂れば痩せられるとかよく観ます。結局、人によって腸内細菌は違いますし、合う合わないもある。様々な食品をバランスよく、美味しいと思ったものを食べるのがいいと思いました。バランス良くです。腸内細菌って本当に面白いなと思いました。もっと勉強して、自分の体に還元したいと思いました。この記事を書いている今は、無事に発酵食大学院を卒業して試験も合格しています。もっともっとたくさんのこと勉強して知識を深めていきたいと思っています。大学のほうは、京都・横浜・金沢校とたくさんあります。楽しく発酵について学べますので興味のある方は、是非、発酵食大学に通って観て下さい。ありがとうございました。

投稿者

marizo

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