酵素ってよく聞く言葉ですよね。酵素が汚れを分解するとか洗濯洗剤のCMで聞いたり、酵素ドリンクなど。私は発酵食品を勉強するまで、酵素に興味はありませんでした。発酵食品を学ぶにあたり酵素について知ることは必要不可欠。また生命活動にとって不可欠な物質であり、酵素がないと、生物は生きてけません。酵素は、物質です。そんな酵素についてお話します。

酵素はタンパク質

 酵素とは、必ずタンパク質(ほとんど全て、例外もある)。酵素は20種類のアミノ酸が一本に繋がってできています。酵素は何してるの?私たちの身体の中で消化や吸収、代謝など、ありとあらゆる活動を促進します。

酵素を形作るアミノ酸

分岐鎖アミノ酸 イソロイシン ロイシン バリン

芳香族アミノ酸 フェニルアラニン チロシン トリプトファン

塩基性アミノ酸 アルギニン リジン ヒスチジン

酸性アミノ酸 グルタミン酸 アスパラギン酸

含硫アミノ酸 メチオニン システイン

その他中性アミノ酸 グリシン アラニン グルタミン アスパラギン セリン トレオニン プロリン

発酵に関わる代表的な酵素

 発酵とは、微生物の働きによって物質が変化することですが、微生物が物質を変化させるときに使う道具が酵素になります。

アミラーゼ、ひとの唾液にも含まれている酵素です。ご飯を咀嚼するとだんだん甘みを感じます。これはアミラーゼがデンプンを糖に変えるから。デンプンは高分子ですので、人間が体内で消化するのは大きすぎて取り込めないため、デンプンを小さくする必要があります。そのためペンチやハサミのようなものが酵素になります。酵素はチョキチョキとデンプンを切って小さくし、糖にして体内に取り込めるようにしています。食物を体内に取り込む行程を消化といいます。

2つ目プロテアーゼ。プロテアーゼは、タンパク質分解酵素です。その名の通り、タンパク質をチョキチョキ切ってアミノ酸に変えます。アミノ酸になると人はうま味を感じることができます。

3つ目はリパーゼ。リパーゼは脂質分解酵素。リパーゼは脂質を分解します。グリセロールと脂肪酸になります。脂肪酸にはオレイン酸・リノール酸・リノレン酸・パルチミン酸など。

 酵素は特定の環境でしか働くことができません。酵素は物質であり生き物ではありません。

酵素はタンパク質でできた物質

酵素は生き物が自分で作りだすことができ、様々な反応を促進する役割がある

酵素はたくさんの種類がある

酵素は1つの反応に対して1つが専用に働く

酵素は特定の環境でないと働くことができない

発酵の過程で物質が変化するのは、酵素が働いているから

麹菌と酵素

 麹菌、コウジカビは自分の外にたくさんのアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素をだして、自分の周りの環境中にあるデンプン・タンパク質・脂質を分解してブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸を得て、自分の栄養にします。生きていくために、コウジカビはこれらの酵素を生産しています。麹のアミラーゼによって、デンプンを分解し糖に変える→糖化といいます。甘酒になります。大豆と麹を混ぜると、プロテアーゼによって、タンパク質を分解しアミノ酸が生まれる→うま味のある味噌や醤油になります。

 食べ物の中にある酵素が人間の体内で働くことは(ごく一部の酵素を除く)基本的はありません。酵素はタンパク質でできているので、ほぼ全ての酵素は胃で消化されます。酵素はタンパク質なので熱に弱いです。熱を加えてしまうと酵素として働くことができません。

 

酵素はタンパク質であり、20種類のアミノ酸が一本に繋がってできている。酵素は生き物ではなく物質なのです。人の身体も凄いのですが、麹も凄いのです。麹(コウジカビ)についても深堀りしていきたいと思います。

投稿者

marizo

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