発酵食大学院二2日目はクッキングスタジオのある場所で、北陸学院大学の講師・管理栄養士さんから発酵調味料の特徴と活用について学びました。午後は発酵食大学の講師の先生から発酵調味料の活用とマーケティングについて学びました。今回はそこで学んだことと授業の様子をアウトプットしていきます。

午前は管理栄養士・大学講師の俵先生から、発酵調味料について講義を受けました。発酵食品と菌トレ・五味について

菌トレ!

 食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ食べる。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がある。食物繊維以外の難消化性食品成分として、レジスタントプロテイン・レジスタントスターチ・難消化性オリゴ糖がある。不溶性食物繊維以外の成分は、腸内細菌のエサになるため、腸内発酵によって生成された成分が腸内環境を改善し、善玉菌の活動・増殖を促進したり(プレバイオティクス)様々な整理作用をもたらす。

 不溶性食物繊維は腸内細菌のエサにはなりにくく、便のカサを増して排便を促したり、有害物質を吸着して排出したりする効果がある。

 発酵食品、十分な量の生きた微生物(乳酸菌・ビフィズス菌・納豆菌など)摂取した時に宿主に有益な作用をもたらす。(プロバイオティクス)生菌が悪玉菌の増殖を抑え、有用成分を産生したり免疫系に作用する。死菌の菌体成分や代謝産物も腸内細菌に活用されたり、ヒトの免疫系に作用したりする。毎日、コツコツ食事として取り入れて行くことが菌トレです。

発酵食品を摂ると良いこと

 プロバイオティクスを含む発酵食品には、納豆・ヨーグルト・糠漬け・味噌などがある。善玉菌の増殖を抑え、腸内環境のバランスを改善する。死菌の成分や代謝産物は、腸内細菌に活用されるだけでなく、ヒトの免疫系に作用し、健康効果が発揮される。特に味噌は腸に届く率が高いらしい。

 その他の発酵食品に、塩麹・甘酒・醤油・酢・本味醂・日本酒がある。塩麹や甘酒は酵素の働きにより、食材を柔らかくしたり、美味しくしてくれる。醤油や酢、本味醂・日本酒などは発酵の過程で産生されるうま味成分、香り等により料理を美味しくする。様々な調理効果が期待される。甘酒や酒粕は、食物繊維のような難消化成分が多く、腸内細菌のエサになったり、排便を促したりする。

難消化性食品とはなんぞなもし

水溶性食物繊維 りんご・もも・いちご・わかめ・昆布・アボカド・さつまいも・おくらなど

不溶性食物繊維 きのこ類・穀物・野菜・豆類・海藻・芋類

難消化性オリゴ糖 牛乳・玉ねぎ・バナナ・大豆・はちみつなど

レジスタントスターチ 玄米・芋類・冷やご飯・加齢後冷めたじゃがいもなど

レジスタントプロテイン 酒粕・蕎麦・大豆・大麦・高野豆腐など

五味について学ぶ

 中学か高校性以来の家庭科の授業以来かもしれない五味について講義を受けました。塩ってすごいパワーを持っているんだなという感想です。調味料の効果がひとつひとつわかりやすく教えてくださり面白かったです。日々の料理に使える知識でした。

味を構成する五味

塩味:適度な塩味は、体の調子を整えるために必要なミネラルを示す味として本能的に好まれると考えられている。食欲を増進し、栄養素の摂取量を高める。塩麹・醤油・味噌

甘味:生きるために必要なエネルギーの素になるため、本能的に好まれると考えれれている。赤ちゃんでさえ甘みを感じた途端、微笑みを浮かべるほどなくてはならないもの。砂糖・甘酒

酸味:本来は腐ったものや未熟なものを示す味として認識されると考えられている。食経験を重ねるにつれて、好まれる味。適度な酸味は食欲増進効果がある。有機酸である酢酸やクエン酸などが代表的な成分。酢酸は酢・クエン酸は柑橘や梅に多く含まれている。酢

苦味:本来は毒のあるものを示す味として認識されると考えられており、甘味や塩味と比べて、約千倍も感じやすくなっている。子供は大人以上に苦味に敏感で口にしたがらない傾向がある。毒のあるものを判別できず口に入れたとしても、すぐにその苦味を感じとって本能的に吐き出すことで危険を避けられるようにしている。味噌・醤油

うま味:体を作るために必要なタンパク質(アミノ酸)を示す味として本能的に好まれると考えられている。アミノ酸系(グルタミン酸)のうま味成分と核酸系(イノシン酸・グアニル酸)のうま味成分を掛け合わせることでうま味の相乗効果が得られる。料理にうま味を加える最も代表的な調味料として醤油・味噌。次に有用なものとして塩麹・酒粕などがある

和食を構成するさしすせそ

さ:砂糖→保湿効果・腐敗防止・デンプンの老化を抑える、脂質の酸化を抑える、ジャムを固める、タンパク質の変性を抑える、カラメル化やメイラード反応

し:塩→防腐・脱水・変色防止・タンパク質の熱凝固の促進・ぬめりや粘りの除去

す:酢→アントシアニン色素の発色、変色防止、野菜をシャキシャキさせる、昆布が柔らかくなる、肉を柔らかくする、魚の臭い消し、タンパク質の変性を助ける、殺菌・制菌

せ:醤油→肉や魚の臭みを消す、加熱によって焼色や香ばしい香りがつく

そ:味噌→肉や魚の臭みを消す、肉や魚を柔らかくする

私が関心した塩味の科学

 塩や塩味の調味料には「味をつける」以外にも様々な効果があるということ。

タンパク質への作用:タンパク質の熱凝固を助ける(肉・魚・卵など)

         :肉や魚の保水性を増し、食感を変化させる(ぷりぷり、ジューシーに)

         :ひき肉やすり身の粘り気を増す(ハンバーグ、練り物)

         :小麦粉のグルテン形成を促進(うどん・そうめんなど)

         :ぬめりを取る(魚や里芋の下ごしらえ)

浸透圧による作用:浸透圧によって食材の水分を出す(野菜をしんなり、魚臭成分の除去)

        :防腐作用(一般的には15~20%の食塩濃度)

その他:野菜や果物の変色を抑える

甘味の科学も素晴らしい

糖の種類によって甘味の感じ方が違うのです。

ショ糖:温度の変化によって甘さが変化しないため、料理に使いやすい

ブドウ糖:ショ糖の0.6~0.8倍の甘さ・爽やかな甘味

果糖:温度によって甘さが大きく変化する。5℃:ショ糖の1.5倍 60℃:ショ糖の0.8倍 コクのある甘味。低温で甘味が強くばなるので冷たい飲み物やデザート向き。

味醂や甘酒の甘味は主にブドウ糖です。蜂蜜の甘味は主にブドウ糖や果糖

糖の効果は「甘くする」だけじゃない

甘味は苦味を抑える(甘酢、トマトの酸味をまろやかにする)

保水作用:(食品の乾燥や離水を抑える)

寒天ゼリー、ゼラチンゼリーの透明度を増し、離漿を防ぐ

デンプンの老化を抑える(しっとりやわらかい食感を維持)

タンパク質の変性を抑える(卵料理を柔らかく、すき焼き)

メレンゲを安定させる

防腐効果(水分と結びつき、細菌が生育に使えない状態にする)

ジャムを固める(ジャムの糖度を下げると固まりにくくなる)

脂質の酸化を抑える(焼き菓子などの脂が変質するのを防ぐ)

カラメル化やメイラード反応によって色や風味をつける(カラメル・パンや肉の焼色)

糖を減らすと甘味が減るだけでなく、焼色がつきにくくなったり、乾燥しやすくなったりする。

普段、お菓子やパン作りをしてますが、なんとなくやっていたことがここに繋がっているんだということがわかりました。甘味の使い方や酸味の使い方についてもまたお話します。

何気なく使用している調味料の効果を知ることができてよかったです。調味料の効果を知って、料理に活かしていくと楽しいし美味しいし幸せに繋がる。今回はここまで次回につづく

投稿者

marizo

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