お米からとれる糠。この糠を利用したもがぬか漬けです。漬けた野菜の味と保存性を高めるとともに、非常に優れた栄養効果を持っています。乳酸菌で便秘解消と免疫力アップ・ビタミンB群で美肌と疲労回復・安眠効果を期待できる・野菜の成分をそのまま摂れるなどの効能があります。私もぬか漬けについて勉強するまではこんなに栄養があったとはしりませんでした。今では毎日、ぬか床をかき混ぜています。今回は、日本の伝統食ぬか漬けについてお話していきたいと思います。
ぬかの種類
生米ぬか 玄米を精白する際にとれる皮や胚芽など。ビタミンB群やミネラル、油も多く含まれています。古くなると油が酸化し、においが悪くなります。
炒りぬか 生米ぬかを炒ったもの。炒ったぬかは食用になります。加熱するとビタミンB群が損なわれる。ぬか床にするなら炒りすぎないようにします。
麦ぬか 麦を精白する際にとれる皮や胚芽など。ふすまとも言われています。食物繊維が豊富で、小麦粉代わりにパンやお菓子の材料に使用されています。
ぬか漬けの歴史
日本の漬物のなかで栄養面で最も優れているのがぬか漬けと言われています。平安時代にはすでにぬか漬けに似た漬物が作られていました。当時、米糠は貴重品だったため、上流階級のみで食べられていたそうです。本格的に普及したのは江戸時代に入ってから。江戸初期には白米が日常食になり、大量の米糠が残るようになり、その米糠の有効利用としてぬか漬けが生まれました。ちなみに玄米から白米をたべるようになって、糠に含まれるビタミンB1が不足して脚気(江戸わずらい)が大流行したそうです。
ぬか漬けの仕組み
米ぬか、塩をよく混ぜます。分量の水を加え耳たぶくらいの硬さにします。そこに唐辛子や昆布・捨て野菜をまぜて1周間ほどに乳酸発酵させます。中には乳酸菌や酵母など栄養素が豊富に含まれています。ぬか床の中のは酸素を嫌う酪酸菌と、酸素が好きな産膜酵母があります。どちらも増え過ぎると嫌ない臭いを放ちます。そのため、毎日ぬか床をかき混ぜ増殖を調整します。野菜を漬け続けることによりぬか床が熟成し、漬物の味も深まります。状態が良いものであれば、ぬか床10gに10億の乳酸菌にもなるそうです。
ぬか漬けの乳酸菌で腸活
ぬか漬けには乳酸菌がたっぷり含まれています。乳酸菌は、腸内で乳酸を作り悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やしやすくしてくれます。善玉菌が増えることにより腸内環境が改善され、便秘が改善され免疫力が高まります。ぬか漬けの酸っぱい味は、ぬか床で増殖する乳酸菌によるもの。全体を酸性にすることにより、人間にとって都合の悪い菌が入ってこられない環境を作ります。それは保存性を高めることに繋がります。人間の体内の各器官に酸のバリアを張り。悪玉菌などから守ってくれる可能性があるんです。
ビタミンB群を生成・疲労回復
乳酸菌は繁殖することによってビタミンB群をより多く生成します。またぬか漬けの原料である米ぬかは、お米を精米するときに取り除かれる玄米の表皮や胚芽の部分で、ビタミンB群やビタミンEが特に多く含まれています。身体を動かすには、体内で糖質をエネルギーに変える必要があります。その糖質の変化を促すのがビタミンB群になります。糖質、すなわちごはんを食べるとき、一緒にビタミンB群を一緒に摂ると、栄養素がエネルギーに変換されやすくなり疲れ知らずの身体に。ビタミンB群が不足すると、体内に疲労物質が溜まり、疲れやすくなるそうです。ぬか漬けとごはんの組み合わせは美味しいだけでなく身体にも良い影響を与えてくれます。
身近にできるぬか漬け
最近では、無印良品やスーパーにも簡単にぬか漬けができるものが販売されています。もうぬか床ができていて、そこに野菜を入れるだけの易しいぬか床。私は去年、人生で初めてぬか床を米ぬかから作りました。ぬか床は毎日毎日かき混ぜて、乳酸菌や酵母・酪酸菌を撹拌します。味も変わりますし、その時の温度によっても手入れは変わってきます。きちんと手入れをすれば100年以上もつと言われています。その人の味がでるオリジナルのぬか床を作ってぬか漬け生活初めてみるのも楽しいですよ。